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適当広場

のんびり適当にがモットーです。多分

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あの想いと共に 第71話 後編 

あの想いと共に 

第71話 後編



     ◆  ◆  ◆





「…………ん、う」

目の前に、華佗の顔。

「起きたか?」

「…………あぁ、寝ていたのか」

「寝ていたってな……戻ってきてびっくりしたぞ。お前が例のやつで倒れていたんだからな」

言いながら、華佗は関羽を見る。

関羽は俺を睨み付けるだけで、何も言わない。

「……何か、したんですか?」

気付いたら、寝台に座って俺の手を握ったままの朱里が居た。

「愛紗さん、ずっと怖い顔で一刀さまのことを睨んでいて……こういう怒り方、滅多にしない人ですよ?」

「楽しくなることを教えたのさ。というよりも、関羽にとっての最終目標が何なのかってのを教えてあげたんだ」

「愛紗さんの最終目標?」

「……一刀、お前それは……っ」

不思議そうな朱里と、息を呑む華佗。

「……わたしだけ、分からないことですか」

朱里が関羽を見る。

数秒の後、関羽がこう言った。

「……………………嘘ではないのでしょうね」

「嘘に聞こえたかな?」

「ぐっ……!」

ダンっ! と大きな音を立てて立ち上がると、

「だったら、私達は何のためにッ!!」

「ちょ、ちょっとちょっと! 愛紗さん、声大きいですって!」

すぐに朱里が間に入って、仲裁をする。

「くっ……!」

項垂れるように、その場に座り込む関羽。

「……どうして、今こんなことを言ったのですか? 私が裏切るとは思わないのですか?」

「それはそれで、俺の負担が軽くなるけれど。でも、なんでだろうな……言わなきゃならないって、ふと思ったんだよ」

言えば……恐らく、俺が楽になるであろうとも思ってね。

…………博打でもあるがな。

「綱渡り過ぎるぞ、一刀。愛紗の反応を見るに、本当のことを言ったみたいだが……」

「しかし残念だけど、言葉のままだよ。本当に嘘は言っていない。真実さ」

「真実……」

顔を手で覆う関羽が、指の隙間から俺を見て、

「…………ですが、あなたの目標は、魏を勝たせた上で、北郷殿を生かすと……」

「そうだよ」

しれっと言う俺に、関羽が再び声を荒げる。

「何がですか! 先程北郷殿が言ったことは、その言葉を何もッ!」

「どちらも嘘じゃない。そしてそれが分からない内は……関羽。お前に俺は守れないし、救うことなんて出来っこないんだ」

「それはッ! そんなの……っ」

「無知は危機感に繋がるって言ってたよな? だったら焦れ。俺はもう最終目標までの道は出来ている。後は大きな失敗をしないように安全確認をしながら進むだけだ。ただし、協力者は選ぶようにな。意識を失った俺を見て分かる通り……漏らせば漏らすほど、俺の命は削り取られる、最大級の情報なんだから」

指で銃の形を作って、こめかみに人差し指を当てて、バーンと言って笑ってやった。

「ッ……っ、くそっ!」

音を立てて、部屋から出て行ってしまう。

「…………よく、分かりませんけど。追いかけてきますね」

落ち着いたままの、朱里がすぐにそう言う。

「いってらっしゃい」

「……愛紗さんに教えた最大級の情報って、わたしには?」

「これは賭けのようなものなんだよ。朱里は積み重なった瓦礫を必死にどかして答えを導かなきゃならない、しかし、関羽は瓦礫を飛び越えて答えに辿り着いたけど、そこからの出口が分からない」

「だから、協力しろって言うんですか?」

「言わないさ。好きにしろ。どの道……」




君らじゃ、協力は出来ないだろうしな。




「…………なんとなく、一刀さまが考えていることは分かります」

朱里が背中を向けて。

でも、首だけ動かして、横目で俺を見てきて。

「わたしと愛紗さんは、お互いに足を引っ張り合うでしょう。そもそもやりたいことと目的地が違うのだから当然です。それも込みで、こんな仕掛けをしたんですか?」

「する必要がないと思わないか?」

「じゃあ、どうして?」

「さぁ、どうしてだろう…………でも、なんとなくかな」

「?」



「なんとなく……関羽には教えておくべきな気がした。そうすれば……そうなったという経緯こそが、俺と関羽の関係を一つ進めてくれるってと思ったんだと思う」



「……変な答えですね。いいですけど」

興味をなくしたのか、朱里が部屋から出て行く。

「お昼過ぎには戻ります」

とだけ、残して。

部屋に残されたのは、男二人だ。

「…………はぁ」

華佗が、俺の隣に座った。

「なんでまた?」

当然の疑問だな。

「……関羽さ。俺から何も説明はしてないんだよね」

「そう聞いているが。関係あるのか?」

俺は頷いて、

「何も言ってないのに、あの子は俺の様子と言葉だけで、こちら側があるって気付いた子なんだ。だから……」

「…………おいおい、本気か?」

俺の言いたいことが伝わったらしく、華佗に呆れられた。

「様子と言葉……劉備とは違って、感じるんじゃなくて察して答えを見つけるから、先に答えを言ったってことだろ?」

「うん」

それにもまた、頷く。

「関羽は……自分で自分なりの答えを持ってきて。朱里のように知識から判断する訳じゃない。桃香のように、そう感じたからって鵜呑みにする訳じゃない。ただ……俺の佇まいがそういう風に見えたから、そういう人なんだなって思う。見たこと、聞いたこと、聞かされたこと、感じたこと、触れたこと……それらを全て総合的に組み合わせて、それを“察する”って行為に落とし込むんだ」

「その微妙な匙加減を、よく調整しているよ、お前は」

呆れた華佗が一転、感嘆の息を漏らす。

「上手に出来ているかな?」

「言葉だけ聞いたら、朱里も劉備も愛紗も変わらないだろう。結果的に似たようなことを感じているんだから」

「でも、似たようなものであるだけで、あの三人の立ち位置も情報も……絶対に噛み合わないものだよ。桃香の直感も、朱里の知識も、関羽が見てきた俺も……現実に形には出来ない」

「証拠を出すことが出来ないって部分で、お前は常に優位に立っている訳か」

「優位というか、崖っぷちに追い込まれてはいるけどね……でも、彼女達に俺を突き落とす理由と権利は、今のところどうあっても与えられない。そういう調整はしているつもりだよ」

じゃなきゃ、俺はとっくに誰かの刃に掛かってこの世から抹消されているだろうから。

「だから……関羽には、先に答えとなる部分を言葉にしたんだ。俺の言葉と、その時の様子と……そういったものを彼女は察して、自分の中で答えを導き出せる能力がある。そして、その導き出した答えは……俺にとっては、いつも真実だった」

「で、今回もその導き出した答えが、もしかしたら……」

「俺にとって都合の良いものになる可能性が高いと思わないかな? 何せ、関羽は俺を救おうとしている。これが逆の立場だったら、そうも行かないんだろうけどね」

「…………やれやれ」

頭を掻いて、ぽふっと寝台に倒れこむ華佗。

「お前は本当に難しいことばかり考えているよ。俺には出来ん」

「やらなきゃやられるだけだからね。なら……やられる前に、やらないと」

「人の感情を、よくもそれだけ信じられるな」

「信じる……とは、また少し違うかな。華佗のことも、信頼はしているけれど」

「……そうだな。お互いに信用とはならないな」

華佗は華佗で、俺に話せないことがあって。

俺は俺で、華佗の言うこと全てに従える訳じゃない。

「脅迫で相手に首輪を付ける方が、ずっと簡単だよ。信じて裏切られたら辛いし、何よりその時点で俺の死は確定してしまう。それなら……」

「首輪に紐を付けて、生かさず殺さず逃がさないように、引っ張っていた方が気が楽か」

華佗が起き上がってくると、

「今の俺の状況で何を言ってもあれだが、俺に出来そうなことがあれば何でも言ってくれ。せめて、その信頼には報いて見せるさ」

「信用されたい、とは言ってくれないんだ?」

「前の世界で、俺はお前を救えなかった。信用なんてされるはずもないだろ」

……華佗の中で、それはやっぱり、俺が思う以上に根が深いんだろうな。

「……じゃ、そうさせて貰おうかな。とりあえず、昼食を持ってきておこうか。多分そんなに時間掛けずに二人は帰ってくるだろうし」

「あぁ、了解だ」

お互いに立ち上がって、扉に近かった華佗がそのドアノブに手をかける。

「でもさ、華佗」

「ん?」

振り返った華佗に、

「俺は、華佗に首輪を付けたつもりはないよ」

と言うと。

華佗は、割と普通に、なんともないように笑って。

「俺も、付けられたつもりはないよ。一刀に分かりやすい形で言うなら……俺らは盟友だろ?」



すぐに、華琳の顔が浮かぶ。




…………思わず、口端が勝手に上がったじゃないか。




「あぁ、そうだな。その通りだ」

「なら、俺はそれでいいさ」





     ◆  ◆  ◆





「…………そろそろか」

「そうですね」

俺らは数十分前に宿から出て、馬騰の屋敷の西側にある家屋。その物陰に隠れて時を待っていた。

「随分と騒がしいです……もうすぐそこまで来ているでしょうね」

俺の隣に居るのは、関羽だ。

あの後、戻ってきた関羽は俺に一言だけこう言った。



『――――着いていきます』



朱里に説得されたとは思えないし、朱里が関羽から例の話を聞いたとも思えない。

でも二人の間で何かしらの意見交換があって、着いてくることになった……のだろうかね。

「…………? 何か?」

じっと関羽のことを見ていたことに気付かれて、不思議そうにこちらを見返された。

「いや……後ろから切られやしないかと思ってね」

冗談めかして言うと、俺の思った以上に関羽が不機嫌な顔を作る。

「誰のせいで……」

「俺のせいだろ」

「っ…………あなたは、どこまでのことを考えて、私に……」

「あぁ、はいはい愛紗さん。長くなりそうなので、まずは目の前の物事に集中しましょう。私の予想だと、もう五分もないと思います」

朱里が間に入って、すぐに南東の空を見る。俺には空なんて見ても、何があるかなんて分からないが……。

「しかし、朱里はそう言うが。俺はあまり愛紗のことは信じられていない。宿を出る前になにかしら言うかと思ったが、だんまりを決め込んだままだ。実際どうなんだ? こいつは」

俺の身体のことを気遣う華佗としては、戻ってきてからの一言以外何も言わない関羽を信じられるはずもないんだろう。

「それはそうなんですけど。でも……そこら辺をどうするかは、わたしは愛紗さんに全部お任せしたので」

三人の視線が、関羽に集まる。

「……裏切るつもりは、ありません」

「何故だ? 一刀からあのことを聞いたんだろう?」

「それは…………でもまだ、私は北郷殿の矛盾を解明し切れていない。それが分かるまでは……」

「迷いがある奴を、俺は信用出来ん」

華佗が言うと重いな。風にだって、同じような態度をとっていたし。

「……しかし」

このままじゃ平行線だ。もうメインイベントがそこまで来ているってのに。

仕方ない…………少し、荒っぽくやってみるか。

俺は関羽が裏切るとは思っていないけれど……多分、この子は最後の結果を出すまでは俺を見限ることはないだろうし。

でも華佗は元々関羽が嫌いみたいだし、官渡でもそれ以降でも、この前の漢中でも。気に食わない発言が多かったせいか、大分ポイントを下げてるみたいだしな。

朱里が昨日言っていたように、この二人には武力面でこれからも世話になる。特に華佗は治療のこともあるから、戦えないこともあるだろう。そうなると、関羽だけが頼りってことになる。



…………やれやれ。自分でやっておいてなんだが、面倒なことをしたな。



それでも……俺は関羽がこれからの俺に、何かを与えてくれるって淡い期待があるが。




「……では、どうすれば信じてもらえますか?」

「まぁ、俺も心の底から信じているって訳じゃないけどさ……でも、関羽。さっきの俺の言葉は、君の中にある俺への不信感を大いに煽ったはずだ」

俺は手を伸ばして、関羽に武器を短く持たせると。

「お、おい、一刀!」

「一刀さまっ!?」



関羽の武器の切っ先を――――俺の喉笛に触れさせる。




「少しでも突き出せば、俺は一瞬で絶命する。桃香にも先程のことを言えばいい。俺の言葉が嘘じゃないって、あの子なら分かるだろう」

「っ…………」

関羽の手から俺の手を離し、後は成り行きを見守るだけにする。

「関羽がここで俺を殺したら……華佗。俺のことはもう放っておいていい。華佗に治療して貰えば万が一もありそうだが……朱里もだよ。妖術なんて使わなくていいから」

華佗の能力をぼかして伝えて、朱里にも手を出さないように言う。

「そ、そんな……でも、愛紗さんは、そんなことを……」

「しないって言いたいのかもしれないが、その割には迷っているじゃないか」

睨みつける鋭い眼光の横――――関羽の頬を伝う汗が見えた。

「あ、愛紗さん……? だって愛紗さん、さっきは……」

「私の中の想いがまとまっていないのは事実だ……それに」



ぷつっ――――と。



僅かに武器が前に進み、俺の首から一筋の血が流れ落ちていく。



「これを逃したら……これ以上の、あなたを屠れる好機はない…………」



その言葉に華佗が一瞬身構えるが、俺がそれを手で制する。

「だが、一刀……!」

「華琳でも、桃香でもない。関羽に殺されるって言うのなら、俺はここまでだよ」

様々な部分を考えて。

きっと、この子が俺を今この瞬間に殺すということはないだろうが……確信がある訳でもなく。

それに関羽は唯一、首輪がついてない状態で俺の傍にいる。

だから華佗も気が気じゃないんだろう。他の奴ならば俺に逆らえない理由があるが、関羽はそうじゃないから。

「…………」

「…………」

風の音と、遠くからの喧騒だけが、場を支配する。

だが、不意に、

「…………北郷殿は、どうして……」

「うん?」

「官渡の戦いで…………どうして、私に、あのようなことをしたのですか?」

「官渡?」

官渡の戦いで……あのような?

なんだろう……? いやでも、私にって言っているんだし。



…………じゃあ、一つ……だよな?



「これ?」

一応、言葉にはせずに俺は自分の唇を撫でる。

関羽が僅かに眉を顰めて、頷いた。朱里と華佗は分からない様子だ。



何故、キスをしたのか――――か。



一番は、混乱させて関羽の拘束を解いて逃げる手段を作りたかった……これだろう。

加えてこれをすれば、俺がどれくらい本気か関羽なら伝わると思った、というのもある。結果的に関羽はちゃんと俺よりも魏の勝利を優先してくれたし。その直前に色々話していたことも理由になるんだろうが。

でも…………。

「それ……今、気になることか?」

「答えてください」

表情を変えずに言われる。

…………はっきり言うと、さすがに問題あるよな。

「……一番は、そうすれば関羽が俺を信じてくれる、俺がどれくらい本気で言っているか分かってくれる……そう思ってね」

「私を……信じたんですか?」

少しだけ、目を見開いて。

「悪い?」

「いえ……」

それしかない状況だった。だから、俺が生き残る可能性があり、更に魏も勝利する肯定も作り上げる。その道は、何をしてでも関羽を報告に向かわせなければならなかった。

「でも……勝手ですね」

「えっ?」

関羽が少し、目を伏せる。

「あんなことをされたからと言って、私が魏の勝利のために動くとは限らないでしょうに……」

「…………それはそうだけどね」

他に方法が思いつかなかったんだ。しょうがない。

「全く……」

自嘲気味に笑うと、

「私には……北郷殿の意思は分からない。なんであんなことを私に言ったのかも……でも」

武器を下ろして。

朱里や華佗が安堵の溜息を吐いて。



「私は、やはり私の意志で、あなたを救ってみせる。もし刻限が来たら、どんな方法でも、私はあなたを助け出す。あなたがあなたを……そうするというのなら。私は今から、私にあんなことを言った“あなた”の“敵対者”だ」



そう、言って。



そっ――と、俺の顎に長く細い手を添えると。




「んっ…………」



顔を近付けて――――唇を、合わせてきた。


官渡の時のように、咄嗟に、慌てたような。無理矢理なものじゃなく。



少し時間を掛けて、長く、味わうような――――そんな、相手を感じ取るような、キスを。



「ぷはっ……」


「っ…………関羽」



顔を離して、手も離して。


俺は俺から離れた関羽の名前を呼ぶ。

「これで、信じてもらえるのでしょう?」

「それは……」

「官渡の時は、その……は、初めて、だったんです。だから、何が起こったのかもよく分からなくて……一方的だったし。悔しかった、というのもあります」

急に顔を赤くして、何を捲くし立てているのか。

「ごほんっ……これで、少しは信用が得られたか?」

赤い顔のまま、関羽は華佗に言う。

「えっ? …………あ、あぁ」

場の空気に気圧されてか、思わず頷く華佗。

「朱里は?」

「ふぇ…………」

驚いた顔のまま、固まっていたが。

まるでボンッと音を立てたかのように赤面し、

「ふぇぇぇぇぇぇぇぇ……ッ」

顔を覆って、当人達以上に恥ずかしがる。

「い、い、い、今のっ、今の、あれですよね、こう顔と顔が合体というか、大人のアレというかっ」

「落ち着け……なんか、恥ずかしがっている私が馬鹿みたいではないか」

「いえいえいえいえいえいえ、愛紗さんはとても大人というか階段を登ったというか、え? あれ? でも官渡? 官渡でしたんですか? 官渡で? なんで? 戦時中ですよね?」

慌てふためく朱里の肩を掴んで、関羽が落ち着かせている。

キス一つでそこまで大袈裟になることはないと思うが……でも、相手が相手だしな。

「……確かに、関羽からされるなんて思ってなかったよ」

「官渡での北郷殿の気持ちが、今ならなんとなく分かります」

「…………あぁ」

一瞬分からなかったが。

そうしないと信じてくれないだろうってことか。

やれやれ……とんだことになったが。

「…………どう?」

「……今は、信じるしかないだろう」

小声で、俺と華佗がやり取りする。一応は納得してくれたみたいだ。

「ん、んんっ! よ、よし、もうだいじょぶです、そ、そもそもわたしがこんにゃっあだっ! い、いったぁ……舌噛みました……っ」

「本当に何やってるんだ、お前は」

涙目になる朱里の口を空けさせて、華佗が軽く見てやる。

「すぐに痛みは引くだろう。痕も残らないようだし、治療はしなくてよさそうだ」

「うぅ……そですか。お騒がせしました」

こほん、と咳払いして。



まるで、それが合図になったかのように。



ドンッ!! と、門が打ち破られた音が辺りに響く。


同時に少しずつ開いていく城門。更に、喧騒が酷く、大きくなっていく。



「この瞬間に間に合ってよかったよ」

「えぇ、本当に」

俺に寄り添うように立って、関羽が頷いてくれる。

「戦闘は私にお任せください。華佗は最後尾を頼む」

「了解だ」

「一刀さまとの情報の摺り寄せは出来ています。恐らく、敵が出てくる配列も大体決まりきっているでしょう。増援の対処判断は私がしますね」

「頼りになるよ」

三人の顔を一度ずつ見ると、

「じゃあ、行くか」

俺の言葉と同時に、俺達は目標へと駆け出した。






続く


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